訪問リハビリと通所リハビリの併用は可能か?目的の違いと根拠についてご説明します

訪問リハと通所リハの併用は可能か?

関係各所の皆様、お世話になっております。

前回、理学療法士とは?についての記事を書き、今回は作業療法士とは?という記事を書く予定でいたのですが、ここ最近ケアマネージャー様から「訪問リハとデイケア(通所リハビリ)は併用出来ませんよね?」というお問い合わせが多く寄せられていることから、今回は訪問リハと通所リハの併用について記事にまとめます。

訪問リハビリと通所リハビリの併用は可能です

答えはズバリ「可能」です。訪問リハとデイケアを併用することはできます。ただし、いくつか条件がありますので、併せて説明させていただきます。

【回答】
通所リハビリのみでは、家屋内におけるADLの自立が困難である場合の家屋状況の確認を含めた訪問リハビリの提供など、ケアマネジメントの結果、必要と判断された場合は可能なため、介護支援専門員と保険者に確認して頂くことが必要です。
(根拠) 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について【訪問リハビリテーション費:「通院が困難な利用者」について】

※引用文献:
指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

よりわかりやすく以下にまとめます。

  1. 通所リハビリのみではADLが自立できず、自宅の環境により特化したリハビリテーションが必要とされる場合
  2. ケアマネージャーが併用を必要と判断した場合

となります。但し、ここでは明記されていませんが、通所も訪問もいずれの場合も、リハビリが必要だと主治医が判断するということも合わせて必要になりますのでご注意ください。

どちらの場合も、通所リハの目的・訪問リハの目的をより明確にする必要があります。それぞれに特徴がありますので、対象となる方の必要に応じてご利用いただければと思います。

 

実際の事例

【Aさん 男性利用者】
本人の希望:「家で生活するのにトイレに行くことが大変だ」
現状:布団で寝起きをしており、トイレまでの歩行に加えて、床からの立ち座りなどの動きも必要になる。

■訪問リハビリでの対応
①床からの立ち座り動作やトイレまでの歩行を自宅で練習する。
②必要な福祉用具や家屋改修を提案する。

■通所リハビリでの対応
①マシントレーニングを中心とした下肢の筋力トレーニングを行い、歩行の持久力向上を図る

【Bさん 女性利用者】
本人の希望:「家に居てもつまらない 家族に迷惑がかかる」
現状:家族の介護負担が大きいが、本人は家事など工夫すれば出来そう。

■訪問リハビリでの対応
①家事動作訓練を行い、本人が自宅でできそうな安全な家事を行えるよう支援し、家族の介護負担を軽減する。
②本人の役割が明確になり、意欲的に過ごすことができる。

■通所リハビリでの対応
①他の利用者と交流を図り、精神機能の賦活を図る。日中外出をすることで家族の介護負担を軽減する。
②通所リハビリ施設で、手指の筋力トレーニングを行う。

 

【Cさん 男性利用者】
本人の希望:「家のお風呂に入りたい」
現状:基本動作の介助量が多く、自宅での入浴は現在は困難

■訪問リハビリでの対応
①自宅で入浴できそうな福祉用具の提案や動作方法を練習する。
②自宅入浴を想定して、またぎ動作や模倣練習を行う。

■通所リハビリでの対応
①基本動作能力の向上のために、平行棒やマシンを用いて立ち座りなどの基本動作訓練を反復して行う。

実際の例を挙げてみましたが、少しは違いがわかっていただけたでしょうか?
訪問リハビリでは「生活課題」にフォーカスが当てられており、通所リハビリでは「身体課題」にフォーカスが当てられているということがわかるかと思います。

利用される方のご希望が叶うように訪問リハ・通所リハの役割を明確にすることでより効果的なリハビリテーションへと繋がります。

また、併用する期間をあらかじめ決めておくと、期間内に目標を達成できたかどうか判断がしやすくなるため、併用が延々と続いてしまうことを防ぐことができます。

併用をやめた時、より必要なサービスが明確になることもあります。

 

まとめ

訪問リハビリと通所リハビリの併用についてまとめましたが、いかがでしたでしょうか?

  • 目的を明確にすることで、訪問リハビリと通所リハビリは併用できる
  • それぞれの特徴を活かして利用することでより効果的になる

この2点に集約されます。

少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

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