経験豊富なスタッフがあなたの不安や疑問にお応えします。

在宅医療はまだまだ認知度が十分とは言えない分野です。
これまでかかっていた病院の通院をやめるのは心配、何から始めればよいのか見当も付かない、そんな不安や疑問に経験豊富なスタッフが丁寧にお応えいたします。

なぜ今、在宅医療なのでしょうか?

自宅で療養することの素晴らしさの再認識/再評価、国の政策としての医療費削減という経済的側面、などがその理由として挙げられます。

わずか数十年前は8割を超える方々が自宅での最期を迎えていて、それが当たり前でもありました。現在に至るまでの医療政策のなかで、今では8割超える患者さんは病院での最期を迎えています。そして、今、再び、昔のように自宅で最期を過ごすことが尊厳を保つ選択である、という考えが改めて評価されています。人間の尊厳を重視し、日常の中で穏やかに最期を迎えるという価値観が見直されているのです。

その一方で、我が国の医療経済の事情から在宅医療を選択せざるを得ない、という状況も生まれつつあります。不足している病院の労力を家族の介護力にゆだねる、という国の方策にも見えなくもありません。そのように、たとえ最初は望まざる在宅医療として始めた場合であっても、結果的にはよい選択であった、と思ってもらえるような在宅医療を心がけています。

お世話になった病院に通院しながら在宅医療を受けることは可能でしょうか?

可能です。

今まで入院や外来でお世話になってきた先生から主治医を変えることに不安を感じることは当然の感覚かと思います。まずは、病院にも通いながら在宅医療を導入し、心の準備が整ってから在宅医療に移行していく、というやり方もあります。

当院では柔軟な体制で在宅での医療をサポートできるように知恵を絞っています。どうするのが最善なのか決められずに迷っている、という段階でもお気軽にご相談ください。

在宅の主治医はどうやって探したらいいのでしょうか?

「在宅支援診療所」を謳っている診療所ならば、在宅医療(訪問診療)の主治医になることができます。直接、電話で問い合わせてみましょう。入院中であれば、病院の担当者(ソーシャルワーカーや退院調整看護師)に聞くのもよい選択です。もしすでにケアマネージャーが付いておられる場合は、その方に相談してもよいと思います。つてがない場合は各自治体の役所に問い合わせるケースもあります。

在宅支援診療所には必ずつながることができるので、ぜひ、身近な医療従事者に、躊躇せずに相談してみてください。

なにか準備は必要ですか?

まずは、「在宅での主治医」を決めることです。患者さま本人が入院中であれば、病院のMSW(メディカルソーシャルワーカー;相談員)などが相談に乗ってくれますので、退院後の在宅医療がご希望の際には入院中の段階から病院側にその旨をお伝えください。

在宅医療は医療保険に加え、介護保険も使用することがほとんどなので、介護保険を準備すること、そのための「主治医意見書」を作成するのに在宅での主治医を決めること、が重要なのです。介護保険の申請は市町村役場で申請することができ、ご家族の方でも手続きは可能です。

諸々の介護福祉サービスの手続きや手配をしてくれる、「ケアマネージャー」の選定も同時に進めていくとスムーズに事が運ぶと思います。

入院中であれば、在宅医療に向けて、退院時に「退院時カンファレンス」が実施されることも多くなっています。当院ではこれに看護師や相談員が出席し、情報を共有するように心がけていて、この会議でケアマネや訪問看護ステーション、病院との連携を確認することになります。

癌などの終末期でなくても在宅医療は受けられるのでしょうか?

癌の診断でなくても在宅医療は受けられます。

テレビをはじめとするマスコミの影響で、在宅医療は癌末期や終末期に対応する医療であるというイメージが先行している印象はありますが、癌ではない、「通院に時間がかかり体力的にも難しくなってきた」「癌の診断ではないが、自宅でゆっくりと過ごす時間を主体に生活を送りたい」「介護者が受診に付き添うのが物理的にも時間的にも難しくなってきた」などの理由でも在宅医療の適応となります。自宅にいながらいい状態を保つ、というのも在宅医療の大切な役割です。

当院では訪問でのリハビリテーションも展開しています。在宅医療を始めてからリハも行ってADLが改善した、という患者さまも少なくありません。生活の向上を目指す、というのも在宅医療導入の立派な目標です。

実際に臨終の時にはどうなるのでしょうか?

日頃から診察している医師が、病死であると判断できればその場で死亡診断書を発行することができます。呼吸が止まってから医師がその確認を行うまでの時間がしばらく空いたとしても法的な問題はありません。病院での臨終と同じように、否、もっと安らかに、静かにそのときを迎えられると考えています。

「看取るのは、ご家族」 かつては当たり前のように行われていたことがかなうように、ゆっくりとした時間が流れるように、お手伝いしたい。当院では24時間365日、連絡が取れる体制を維持しており、「そのとき」に、そっと立会い、不安のない最期を迎えられるように心がけています。

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